この記事は「トレーニング機能でどんなことができるか」はすでにおおよそ理解されていて、「実際にトレーニング機能を使ってどういうふうに運用をするか?」ということを検討されている方向けの内容となっています。
トレーニング機能を使って社員やスタッフの教育をおこなう際に、コースをどんな単元で作れば良いか、ヒントをお持ち帰りいただければと思います。
まだトレーニング機能について詳しく知らない人はリリースのお知らせ記事をご覧ください!
ポイントは「コース修了後にできるようになる業務」で区切ること
結論から言うと、トレーニングコースは「コース修了後に受講者ができるようになる業務単位」で単元を決め、コース作成することをおすすめします。
「コース修了後の受講者のできるようになる業務単位」とは、そのコースを受講することで、その人が行う全体の業務の中での一つの業務を行えるようになる単位です。
抽象的な表現だと分かりづらいと思いますので、具体的な事例を交えて説明します。
弊社のカスタマーサポートでの事例
弊社でもトレーニングコースを活用して、新入社員や中途入社社員の教育を行っています。ここではカスタマーサポートでの事例をご紹介しましょう。
まず、弊社のカスタマーサポートの全体業務として、主に以下の業務を行っています。
- お客様からのお問い合わせ対応
- オンラインマニュアルの作成・更新
- FAQの作成・更新
- 機能リリースや障害の告知対応
これらの業務を新人が覚えられるように、こちらの画像のようにコースを作成・運用しています。
例えば「オンラインマニュアルの作成・更新編」についてのコースを受講することで、数ある業務のうち、「オンラインマニュアルの作成・更新業務はできるようになる」という状態を作れます。
こうすることで、「問い合わせ対応の業務はまだできないけれど、オンラインマニュアルの作成・更新については先に任せられる」という運用を実現することができます。
また、「お客様からのお問い合わせ対応」と一口に言っても、以下のように覚えなければいけない業務が多くなる場合もあります。
- メールでのお問い合わせ対応方法
- 電話でのお問い合わせ方法
- 開発部への調査依頼方法
- お問い合わせ業務で利用するシステムの利用方法
これらの業務を一つのコースで作成してしまうと、必然的にコース内のマニュアルもかなり多くなり、受講者側の学習ハードルがあがってしまったり、問い合わせ業務についてすべて覚えるまで時間がかかり、現場での実践がなかなか始められなくなってしまいます。
このような場合は、できるだけ1人で任せられる範囲を区切ってコース配信すると良いです。
弊社の事例でいうと、「問い合わせ対応の基本的な進め方」「メールでのお問い合わせ対応方法」「電話でのお問い合わせ対応方法」のようにコースを分けて、まずはメールでのお問い合わせ対応は1人でできるようにして、電話の対応方法はその次のステップとして習得する、のように運用を行っています。
ケーススタディ:スーパーマーケットでのコースの分け方の例
ここまでの話を応用して、他の業種でどんなコースを作成すると良いか考えてみましょう。
今回は、スーパーマーケットの店舗運営を例に考えてみました。
スーパーマーケットでは一般社員の仕事として、「接客対応」「金銭授受」「商品管理」「売場管理」「仕入管理」などがあります。
そのときにシンプルに「売場管理の基本業務」のようにまとめるのではなく、以下のように、売場管理に関わる業務分けて、コースを複数作成します。
- 「陳列商品の整理方法を覚える」
- 「売り場の清掃方法を覚える」
- 「実地棚卸し作業を覚える」
また、時間帯のシフト制で業務を組んでいいて、時間帯によって業務のまとまりがある場合は、
- 「開店前準備」
- 「開店から16時までの業務」
- 「16時から閉店までの業務」
- 「閉店後の業務」
のようなまとめ方でコースを配信するのもおすすめです。
コースを分けるとスキルアップをしていることが実感できる
コースを分ける際のよくある例として、「カスタマーサポート業務に関わる基本業務全般のコース」というように役割単位でまとめて一つのコースにまとめてしまうケースがあります。
コースにひとまとめにすることで、「そのコースだけを修了すれば独り立ちする上で必要な業務を覚えている」というのが明確で分かりやすいという面があります。
一方でひとまとめにすることのデメリットも多いです。例えば、カスタマーサポートの例で言うと以下のような点です。
- 各受講者がコース内のどの業務(マニュアル)まで修了済みなのか、教育担当者が把握しづらい。
- 各受講者が業務全体のうち、「オンラインマニュアル作成・更新」のように各業務については覚えた!というスキルアップの達成感が得られにくい。
- 「オンラインマニュアル作成・更新」という業務について、後から再度振り返りをしたいときに、関係ないマニュアルの中から探し出さないといけない。
コース修了後に受講者ができるようになる業務単位でコースを単元分けすることで、こういったデメリットをなくすことができます。
特に業務を覚える上で、スキルアップをしている実感があると、より楽しんで業務を覚えることができるので、業務のインプットをより効果的にすすめることができるのでおすすめです。
教育担当者・受講者でのメリットは?
最後に、業務ごとにコース分けをしたときの教育担当者・受講者それぞれのメリットをまとめます。
教育担当者
- 優先して覚えてほしい業務を区切って配信できる。(コースごとに受講期限を決められる。)
- 各受講者がどの業務を学習済みなのか分かりやすい。
- 学習済みの業務を優先して、実務を任せることができる。
- 習得しているコースを元に、つぎに配信すべきコースを考えられる。
- 特定コースの内容に改定があった際に、コースの再配信が行いやすい。
受講者
- 覚えないといけない業務を区切って、ひとつひとつ集中して学習することができる。
- コース完了によって自分がどう変わるのか(何ができるようになったのか)分かりやすいので、やる気がでる。
- 学習済みの業務の中で、「久しぶりに行う業務」のみ再度確認したいときに振り返りがしやすい。
いかがでしたでしょうか。このように、コースをうまく使うことで、効果的に社員教育を行うことができます。
トレーニング機能のトレーナー権限をどう活用するか、の記事もございます。ぜひ参考ご覧ください。