分かりやすいマニュアルの3つのポイント(NG例と改善例)

2021-04-15 08:51:48 UTC 2024-09-26 03:44:28 UTC

マニュアルはただ作成するだけでなく、閲覧者がきちんと理解できることが大切です。

”正しい”マニュアルがあっても、閲覧者が見たときにその方法を理解し、業務を遂行できなければ役割が果たせていないことになります。

この記事では、よくあるマニュアルのNG例と、それをどのように変えればわかりやすいマニュアルになるか、基本的なポイントをご紹介します。

分かりやすいマニュアルの3つのポイント

分かりやすいマニュアルには共通した基本的なポイントが3つあります。

  1. 要点や注意事項が明確
  2. シンプルな構成で、程よい情報量
  3. 目的にあわせた画像・動画・テキストの使い分け

これらのポイントを意識するとマニュアルを見た人は内容をきちんと理解しやすくなります。

“内容が正しい”ことはもちろん大事ですが、「短時間で読める・理解できる」「再現性がある」ように”正しく伝わる”ことが良いマニュアルの本質である、と言えます。

逆に、これらのポイントが押さえられていないマニュアルはどのようなものなのかNG例を見つつ、どのように改善できるか見ていきましょう。

【NG例1】画像や動画が貼り付けられているだけ/要点が記載されていない

 

なぜNGなのか?

画像や動画で伝えたい事が一目で伝わらない。

画像が添付されていると状態を把握しやすくはありますが、ただ画像が貼ってあるだけでは、しっかりと押さえないといけない要点がわかりづらく再現性のあるマニュアルになりません。

どう変えればよいか?

マーキングや動画編集を使って、閲覧者の視点で何を押さえたら良いかまで示してあげましょう。

 

例えば、以下のような点です。

  • 書類やシステム画面であれば入力時や操作のチェック事項
  • 動作であれば動きの要点や気を付ける事

また、作業時間、理想の状態など、補足事項を説明文に記載すると作業時の参考になります。

【NG例2】1つのマニュアルに複数の作業が詰め込まれている

 

一つのマニュアルに利用者向けの内容(備品の位置)と管理者向けの内容(発注方法、ステップ5-9)が混ざっている

なぜNGなのか?

業務の一部分をピンポイントで確認したい時に見つけにくくなる。

たとえばレジでの会計方法のマニュアルがあるとします。単純にレジでの会計と言っても商品の読み取りや金銭の受け渡しなど複数の作業が存在します。それらの手順が一つのマニュアルに詰め込まれている場合もよくあります。電子マネーやスマホアプリクーポンなどの対応もあり、覚えないといけないこともたくさんあります。

マニュアルの利用者がいざ業務の合間に自分のわからないところだけを参照したい場合に、目当ての場所を探しづらくなります。

どう変えれば良いか?

1つのマニュアルのなかに複数の業務の内容が入っているようであれば別のマニュアルで表せないか検討してみてください。

ここでは、業務=「工程」「作業」「動作」のかたまりと考えてみましょう。

ものづくりの現場では一般的ですが、IE(Industrial Engineering)手法という工程・作業・動作の3つの区分けで業務分析を行い、オペレーション改善を行う方法があります。

多くの場合、マニュアルは「業務」毎、または「作業」毎に作成します。その「作業」内の「動作」を各ステップとして登録すると分かりやすいマニュアルができます。

「レジ業務」とひとくくりにマニュアルを作成するのではなく、「現金会計の方法」「クレジットカード会計の方法」など、「工程」単位でマニュアルを作るとよいでしょう。

「工程」単位でつくることで、15-20ほどのステップ数で、マニュアルを探す際も目当てのものを探しやすくなります。

工程内に複雑な(=動作の数が多い)作業を含む場合は、「作業」をマニュアルとして切り出してみるのもおすすめです。

このように一つの業務を複数のマニュアルで分けた場合、

  • フォルダ/サブフォルダにまとめる
  • 関連マニュアルリンクを活用してまとめマニュアルを作成する

とより見つけやすいマニュアルになります。

▼サブフォルダサンプル
PayPay手順書集(非公式)

▼まとめマニュアル作成サンプル
01. PayPay(ペイペイ)手順書 リンク集

【NG例3】動画のみに偏って作成している

 

なぜNGなのか?:動画には長所短所があるため、用途によって使いわけが必要

動画は動きを表現する事が出来るため、初めての作業で一連の動作を把握しやすいという利点がありますが、ピンポイントでわからない箇所が出てきた際にはどこに収録されているか探す手間が発生します。動画、静止画それぞれの特徴を知って使いわけていく事が重要になります。

▽動画

・長所:動きの流れ、スピード感、音声を表現できる

・短所:手順をピンポイントで確認したい場合は該当の箇所を探す必要がある/長時間の場合、閲覧者にとって負担が大きい

▽静止画

・長所:作業手順を明確に確認できる/見返しやすい

・短所:断片的な情報になるため、作業を一連の流れとして捉えずらい

以下のマニュアルのように、細かな動きが重要なステップだけ動画で作成すると分かりやすいマニュアルになりやすいです。

【サンプル】お出汁の取り方

 

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まず作り始めることも大事。

今回は分かりやすいマニュアルについて、3つのポイントをご紹介しました。

  • 要点や注意事項が明確
  • シンプルな構成で、程よい情報量
  • 目的にあわせた画像・動画・テキストの使い分け

ただし、すべてのポイントを最初から意識しすぎる必要はありません

作成の勢いを止めないために、まずは一通り直感で作成したうえで、後から修正する際のチェック項目として取り込むのもやり方のひとつです。

マニュアルが出来た後に一度閲覧者の目線で読み返してみる事で改善すべき箇所など新たな発見があることも多いです。

貴社のマニュアル作成のルールとして是非取り込んでみてください。

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