「Teachme Bizの導入や推進で苦労したこと・工夫したこと」をテーマに、Teachme Bizの導入や運用について実際に導入を推進したご担当者様に深掘りする”ユーザー深堀りインタビュー”。
第3回は、Teachme Bizを開発・提供する当社・株式会社スタディストで経理ユニットに所属する表 彩乃と浅井に、2021年5月に新しい経費精算システム「Concur」を全社一斉導入した際、どのように社内に浸透させたのかについてインタビューしました!
前編では新システムを社内で導入する体制やスケジュールの立て方、システム設定時のTeachme Biz活用方法について聞きました。
後編では、実際にマニュアルを作成し社内に新システムを浸透させるためのポイントについてお伝えします。
※取材日:2021年 12月 24日
全社員が使うマニュアルから、使う人の立場に立って作る
Teachme Bizでのマニュアル作成期間について教えてください。3月末までという期限がある中で、まず何から作成を始めましたか?
全社員が関わる可能性のあるオーソドックスな「交通費精算」「書籍購入費精算」などを優先して作りました。Concur導入前に使用していた経費精算システムのマニュアルも参考にしました。
まずは「ひとまずこのマニュアルがあれば回る」と気軽に作り始め、後から「1枚の請求書で2行にする場合は…」などの細かいマニュアルを拡充していきました。
何件くらい作成されたのでしょうか?
はじめに社員向けに公開したマニュアルは8件ですね。経理向けの管理者マニュアルは13件です。おそらく、これからも増えていくと思います。
普段僕が目にするのが社員向けマニュアルなんですけど、マニュアル数は管理者向けの方がマニュアルが多く作成されているんですね。どういったシーンで活用されているのですか?
社員が増えてユーザーアカウントを追加する時、組織変更や異動があった時、会計システムとの連携や分析レポートの出力、毎月の締め日に行うロック操作といった、毎日発生するわけではない業務の際に使用しています。
経理部に新しいメンバーが増えたときも、マニュアルを見ながら業務をやってもらっています。
誰がやっても業務が回るように活用されているのですね。
引き継ぎだけでなく、久々に行う管理業務や手順が多い業務だと自分の備忘のためにも使えるので自分達も助かってます。笑
確かにそれ、すごく分かります。月1回や数ヶ月に1回発生するような業務って、業務設計をした自分でも細かいところを忘れちゃいますよね。。
マニュアル作成の具体的な手順を聞いてもいいですか?
実際に自分が作業をする立場に立って、手順を記録してまとめていきました。基本的にひとつの画面でひとつのステップとして、文字が多くならないように配慮しています。
マニュアルをひとつ作るのにどのくらいの時間かけているんでしょうか?
だいたい30分〜1時間くらいですかね。たとえば、30ステップぐらいあるマニュアル「立替精算の方法」の場合は、手順が多いので1時間くらいかけて作成しました。
1時間でも早いですね!
社内向けマニュアルというのもあって、気負わずに作っています。ひとつひとつじっくり作り込むというよりは、工数をかけずにパッと作って、何か気づいた時にすぐ更新しているんです。
マニュアルに完成はない!メンテナンスのしやすさと「迷わせない」ための工夫
マニュアルを作るときに気をつけていること、こだわっている工夫はありますか?
大きく2つのポイントを意識しています。
1つ目は、1つのマニュアルに入れる情報をなるべく少なくして、メンテナンスをしやすくすることです。
マニュアルは1回作って終わりではないんです。社内のちょっとした変化に伴い業務手順やルールが変わることはよくありますよね。なので、簡単に更新できるよう意識して作成しました。 1つのステップに情報を入れすぎると更新が大変になります。ステップを細かく分ければ、該当ステップをさっと更新するだけなので。
具体的には、1つのマニュアルに全部の情報を詰め込むのではなく、「この場合はこちらのマニュアルを見てください」と別ページへのリンクを貼るようにしています。こうすることで、手順変更があった時に編集すべき箇所を最小限にできます。
いつでも最新状態を反映できるよう工夫されているのですね。
2つ目は、社員が迷う部分を排除することです。
たとえば「レポート名」という項目がありますが、本当はここに入力するテキストは、申請の概要が分かれば極論は何でも良いんです。(笑)
でも、経理側で命名ルールを決めることで、社員が申請時に考える必要がないので、ストレスなく経費精算できるようにしました。
助かります。「なんでもいい」だと、何を書いたらいいのかなと迷うんですよね。都度名前を考えたりするのも地味にストレスになりますし。
経費申請って管理上、どうしても入力する項目が多くなります。入力のたびに「なんだっけ・・・」って迷うのは疲れると思うので、マニュアルに書かれてる流れで”作業すれば終わる”ように意識して作っています。
Teachme Bizでよく使う機能や便利な機能はありますか?
おすすめはやっぱり動画切り出し機能ですね。スマホだと何度も撮影するのが面倒なので、1本の動画からステップごとに動画・画像を切り出しています。画像編集もTeachme Bizでそのまま行っています。
私は複数画像を一括登録できる拡張機能をよく使います。マニュアルには実際の操作画面のスクリーンショットを貼り付けることが多く、予めまとめてスクリーンショット写真をパソコンに保存しておいて、まとめてステップ登録しています。
前職でWordでマニュアルを作っていたときはスクリーンショットを撮り、ドキュメントに貼り付けてサイズを調整し、説明を書き、また操作画面に戻り…と行ったり来たりしていたんですが、Teachme Bizだと何度も画面を切り替える必要がないので便利です。
これは意外と流派がありそうですね。僕はステップごと都度スクリーンショットを撮ってテキストを書くのが好きなタイプで。自分の作りやすい細かな操作方法ってありますよね。
新システムを浸透させる鍵は、ポジティブでわかりやすい第一印象づくり
新しいシステムは導入して終わりではありませんよね。どうやって社員に浸透させたのでしょうか?
とにかく最初の印象を良くする工夫をしました。せっかく社員にとって便利なシステムを導入するのに、パッと見の印象で「めんどくさいな」と思われたくないなと。
実際にどういう工夫をされたか教えてください!
運用開始までは、会う人、会う人に「今度Concurを入れるよ!経費精算が今までより便利になるんだよ!」という社員にとってのメリットを伝えていました。なので、「ついに!」「Concurやっと入れたのね!」と思ってくれている人もいたと思います。
社内でコミュニケーションをまめに取られていたんですね。お披露目のタイミングではどんな工夫を?
既存の社員向けポータルサイト*を活用しました。そこで「経費精算が今後どう変わるか」や「経理が考えているビジョン」をきちんと書き、長期的な効率化につながることをアピールしました。
また、Concur公式素材の「レシートモンスター」というキャラクターを使って、キャッチーになるようにもしましたね。
*スタディストでは、仕事中にわからないことがあったら参照できる「スタディストの歩き方」という社員向けポータルサイトがある
ポータルサイトではConcurのマニュアルも集約されていますよね?
はい。使用する可能性のあるマニュアルはポータルサイトにまとめて、いつでも参照できるようにしています。
全員にすべてのマニュアルを見てほしいわけではありませんが、たとえば「PayPayとの連携」など、「こんな便利な機能もあるよ」ということを目に入る状態にはしておきたかったんです。せっかく便利な機能があっても存在を知られずに活用されないと悲しいですからね。
使い方の問い合わせはほとんどなし!毎回見てもらえるマニュアルが理想
最近オフィス出社や外出が増える中で、経費精算に関する問い合わせは増えましたか?
「Concurってどうやって使うんですか?」「どんな手順で申請すればいいですか?」という問い合わせはほとんどありません。一通りマニュアルは見てもらえているようです。
申請時の記入漏れに対するフォローをしたり、飲食費の軽減税率に関する問い合わせが時々あるくらいですね。
Concurに関するマニュアルの閲覧数を見ると、全社で使い始めた5月が一番多いのかと思いきや、2021年は11月が一番見られていたんですね。
250回も見られたんですね!
11月は社員も増え、出社も多くなりましたからね。健康診断やインフルエンザ予防接種もありました。経費精算が増えるタイミングで、問い合わせでなくマニュアル閲覧が増えているのは嬉しいですね。
僕、毎月見ていますからね。正直、マニュアルを見ないと安心してConcurの入力ができなくて。先ほども挙がった「レポート名」は「なんて入力するんだったっけ?」と毎月確かめるんですよ。
へえー!毎月ちゃんと見てくれる人もいるんですね。一度マニュアルを見て作業するとできる気になってミスが発生しがちなので、毎月見てもらえることを目指しているんですよ。
月1回の業務ってやっぱり細かいところは忘れがちなので。経費精算は締め切りのギリギリにやることもあるので、聞かずともいつでも見に行けるマニュアルがありがたいんですよね。
今回はうまくITツールを全社で使いこなすためのヒントが聞けてよかったです。本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
ありがとうございました!
- 全員が使うオーソドックスなマニュアルから、時間をかけずに作成
- 1つのマニュアルに入れる情報は最小限にしてメンテナンスを楽に
- 使う人の立場に立って、「迷わせない」マニュアルにする
- 社員にとってのメリットがわかるキャッチーな第一印象を与えることで、新システムを社内に浸透させる