「Teachme Bizでマニュアルを作るのは簡単だけど、みんなに使ってもらうまで考えることや決めることが多くて難しい…」
そう感じているユーザーの方々、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
「ユーザー深堀りインタビュー」はそんなお悩みを持つユーザーの皆様向けに「Teachme Bizの導入や推進で苦労したこと・工夫したこと」をテーマとして、Teachme Bizの導入や運用を実際に推進したご担当者に深掘りインタビューさせていただく特集です!
第3回は、Teachme Bizを開発・提供する当社・株式会社スタディストで経理ユニットに所属する表と浅井に、2021年5月に新しい経費精算システム「Concur」を全社一斉導入した際、どのように社内に浸透させたのかについてインタビューしました!
この記事は前後編の2回に分けてお届けします。
前編では新システムを社内で導入する体制やスケジュールの立て方、システム設定時のTeachme Biz活用方法について、後編では、実際にマニュアルを作成して全社に新システムを浸透させるためのポイントについてお伝えします。
※取材日:2021年 12月 24日
- 株式会社スタディスト管理部 経理ユニット ユニットリーダー
浅井 - 2021年2月、新しい経費精算システム(Concur)の契約のタイミングでスタディストに入社。経理ユニットのリーダーとしてStudist(Thailand)を含むスタディストグループ全体の会計業務に携わっている。
- 株式会社スタディスト 管理部 経理ユニット
表 彩乃 - 2016年1月にスタディストに入社し、一人経理からスタートし社員数9名から100名以上までの拡大期を支える。決算業務やシステムリプレイス等の仕組みづくり、社員向けマニュアル作成などを担当。週2日の時短勤務。
- <インタビュアー>
株式会社スタディスト カスタマーサクセス部
カスタマーマーケティンググループ
﨑村 政海 - 2019年1月にスタディストに入社し、Webやイベントを中心としたプロモーションを行う。2019年11月よりカスタマーサクセスの分野で利用者向けのコンテンツやヘルプセンターの構築など「人の手に寄らない」ユーザー支援の取り組みをしている。
「新システムを全社導入しよう」と声を上げた経理ユニット
スタディストの経費精算システムが新しくなって約半年ですが、そもそもなぜ全社で新システムを導入することになったのですか?
理由は大きく2つあります。
1つは、今まで複数使っていた経費精算システムをひとつにしたかったことです。
予算の関係で、経費精算の頻度などに応じて部署ごとに違うシステムを使っていたんです。営業など外出が多く経費精算の頻度が高い部署は他社システム、開発などの経費精算頻度の低い部署は自社の簡易システム、というように。
複数システムを使う分、経理が確認しなければならない項目も多く、ずっと「統一したいな」と思っていたんですよ。
ということは、上からの指示ではなく経理ユニットからの提案でのシステム導入だったのですね!
そうなんです。
2つ目の理由は、経費申請の差し戻しを極力減らしたかったことです。
経理って、月末月初の約5日間が尋常じゃないくらい忙しいんです。全社員から一気に経費精算の申請が来るので。毎日30件ずつの処理だったらいいのですが、現実はそうはいかなくて・・・。しかも、入力ミスがあれば差し戻しが発生し、いくら「早く締めたい」と思っていても「待ちの時間」ができてしまいます。それがかなり精神的なストレスになっていました。
ここ数年スタディストの成長と共に社員数が一気に増え、処理の負担が急激に増していたため、「そろそろ変えどきだろう」と社内の合意を得られました。それでいくつかツールを比較検討した結果、費用・機能面から「Concur」を導入することになりました。
なるほど。「管理を楽にするためのシステム統一」と「従業員・経理双方の負担軽減」ということで、全社一斉での新システム導入に至ったのですね。
準備開始から全社運用開始まで、3ヶ月の軌跡
Concurの導入が決まってから運用開始までどのくらいの準備期間があったのですか?
2021年2月1日に利用契約をして、5月17日の全社ミーティングで運用開始のアナウンスを行ったので、準備期間はちょうど3ヶ月間ですね。「早く使い始めたい!」と思っていたので、結構頑張りました。
短期間ですね!どんなスケジュールで準備を進められたんですか?
まず、2月頭に浅井さんと二人でConcur主催のワークショップに参加して、使い方をインプットしました。そこから2月〜3月は経理ユニットでシステム設定とマニュアル作成を行い、4月に管理部でトライアル運用をして、5月に全社で運用開始、という流れです。
全社に展開する前に、管理部だけのトライアル期間を設けたのはなぜですか?
皆の温度感というか、反応を知りたかったのが大きいです。
経理ユニットは熱をもって導入準備を進めていましたが、実際皆に受け入れられるかどうかは不安で。「使い始めはどんな反応か」「躓きやすいポイントはどこか」を確認する目的で管理部内でのトライアルを行いました。
あと、管理部のメンバーに仲間になってもらい、一緒に全社へ新システムを布教してほしいという思いもありました(笑)。
「皆に受け入れられるか不安」という気持ち、とてもわかります。管理部の皆さんの反応はいかがでしたか?
良い反応だったどころか、「マニュアルが分かりやすいから口頭説明もいらないよ!」とさえ言われました。協力的なメンバーばかりで本当に感謝しています。
管理部で良い反応が得られたので、5月17日の全社ミーティングでは「今日から経費精算システムConcurの運用を開始します」というアナウンスだけ行い、社内Slackとポータルサイトで利用方法を案内する形で全社運用を開始しました。
システム設定の作業分担もTeachme Bizで効率的に
2〜3月のシステム設定をどうやって進めたのか教えてください!
Concurの契約をした日に浅井さんが入社されたので、主に二人でシステムをさわって「ああでもない、こうでもない」と言いながら準備を進めていきました。
準備の際、お二人の中で役割分担はあったのですか?
はい。週2勤務の表さんにTeachme Bizでシステム設定マニュアルを作成してもらい、表さんがいない日も私ひとりで作業を進められるようにしました。
「私がいない日でも、これを見てシステム設定や確認をお願いしします」という意味で管理者向けのマニュアルを作成していました。おかげで一緒に設定作業をせずともスムーズに準備が進められました。ポイントとしては、マニュアルの完成度はそこまで意識せず手間をかけずサクッと作ることですね。あくまでも私と浅井さん二人しか見ないマニュアルなので。むしろ不完全だったり分かりにくいところは、浅井さんに修正してもらっていました。そうすることで今も「管理者用マニュアル」としてそのまま活用できています。
このやり方はとても良かったと思っています。
担当者全員が同時並行で準備を進めていると、「気づいたら皆バラバラのやり方だった」という状況に陥りがちです。「先導してマニュアルを作成する人」「それを試してフィードバックする人」と分担することで、マニュアル=手順がブラッシュアップされていき、その後の運用時も皆が効率よく作業できるようになりました。
社員向けのマニュアルはお二人で同時進行で作成されたのですか?
いいえ。社員向けのマニュアルを作る際も、「Teachme Bizで新システムのマニュアルを作る表さん」「表さん作成のマニュアルをテストしてフィードバックする浅井」というように役割は明確に分かれていました。
私は入社したばかりで他の業務を覚える必要もあり、基本的に表さん主導でマニュアルを作ってくださったんです。
ただ、それが逆に良かったなと思っていて。
というのも、初めてConcurを使う社員と同じ目線でフィードバックができるのです。
表さんから「マニュアルを作ってみたから、これ通りにできるか試してもらえますか?」と言われて、私が初見で試し、「ここが分かりにくい」「ここは迷いそう」などの率直な意見を伝えました。それをもとに修正を加えることで、社員の皆さんが使いやすいマニュアルにしていきました。
- 社員増加に伴う経費精算の負担を軽減するため新システムを導入
- Teachme Bizを使い2ヶ月間でマニュアルを作成
- マニュアル作成者とテスターで役割分担し、効率的にマニュアルをブラッシュアップ
- 全社運用開始前に1ヶ月のトライアル期間を設け、社内の反応を確認
いかがでしたでしょうか。前編では新システムを社内で導入する体制やスケジュールの立て方、システム設定時のTeachme Biz活用方法をお届けしました。
次の記事では、実際にマニュアルを作成して社内に新システムを浸透させるためのポイントをお伝えします。