「Teachme Bizの導入や推進で苦労したこと・工夫したこと」をテーマに、Teachme Bizの導入や運用について実際に導入を推進したご担当者様に深掘りする”ユーザー深堀りインタビュー”。
今回は、製菓メーカーのお客様にインタビューさせていただきました!
前編では契約開始からPoCの進め方、中編ではマニュアル作成や承認運用についてお届けしました。
後編は、本運用開始後の閲覧浸透に関わる取り組みについてのお話です。
※取材日:2021年 9月 15日
- 製造業務推進課
小山英俊 様(仮名) - 製造過程や工場の管理に関わるITシステムの導入をメインに担当されている。
全体での運用では現場をどう巻き込むかがポイント
関東の工場でのPoC後、他の工場で開始する際はどのように進められましたか?
PoCが終わる3月末頃に、各工場の責任者をオンラインで集めて、Teachme Bizの概要と使用時のルールや操作方法について説明しました。アカウントは各工場分準備して、説明会後すぐに配布しています。そのうえで、テストケースとして各工場で1つのラインまたは1つの工程で使ってみてください、という流れで開始しました。
各工場の特定のラインにアカウントを配布したということですか?
配布自体は全ライン分配布しています。ただ、いきなり「全ラインでやってください」というのは難しいと思ったので、特定のラインから始めるようにアナウンスしました。
現場の方がどのラインでテストするかを選定されたのですか。
現場に任せて選定と進行をしてもらいました。
テストをされてから、今の運用になるまでの流れも教えてください。
4月の中旬から末にかけて、「使い方が分からない」という意見が多かったので、現場のライン長やライン管理者などを集めたオンラインの説明会を追加開催しました。
説明会では、どのような話をされたのですか?
操作方法です。事前に作ったTeachme Bizの操作マニュアルに沿って、実際に触ってもらいながら操作説明をしました。説明会の中でログインの案内をして、一緒に見ながら進めるような形です。また、資料としてPDF出力したものも併せて渡しました。
説明会後はスムーズにマニュアルの作成が進みましたか。
微妙ですね。実際にその説明会をやった直後はアクセス数が伸びてきますし、下書きのマニュアルも増えたりしたのですが、その後作成がイマイチ浸透していない工場もあります。
今の課題は、現場でのマニュアル作成数をどう伸ばしていくか、というところでしょうか。
そうですね。マニュアル作成もそうですが、せっかく作成されたものが「ちゃんと見られているのか、使っているのか」の分析が追いついていない状況です。
閲覧レポートを見るとPoCを行った工場では作成数・閲覧数が伸びているようですが、PoCが推進に貢献している、と感じられる部分はありますか。
あると思います。実際に私が何回も足を運び、現場で直接使い方を説明したので、他の工場よりは馴染みがいいのかなと感じています。
いかに現場の方を巻き込めるかというところが、利用を推進するうえではポイントとなりそうですね。
そうですね。
- 運用開始時は各工場の責任者をオンラインで集めて、Teachme Bizの概要と使用時のルールや操作方法について説明
- アカウントは各工場分準備して、説明会後すぐに配布
- テストケースとして各工場で1つのラインまたは1つの工程で利用開始し、段階的に運用を広げた
- 何回も足を運び、直接使い方を説明した工場が一番浸透度合いが高い
すぐに見られる場所にタブレットを配置、閲覧しやすい環境に
現場の方は作成したマニュアルを、どこでどんなタイミングで見ていますか。
基本的にはラインの現場で見るものだと思います。うちの製造部員があまり事務所にいないので、現場で見ています。タイミング的には、教育にも積極的に使えているというよりは、現場に配布しているタブレットで、すき間時間に見ていると思います。
タブレットは、工場のどこに配置されているようなものですか。
ほぼすべてのラインの全工程に、少なくとも1台はあります。元々生産記録を紙に書いていたので、記入のための机が置いてあります。その机にタブレットを置いていることが多いです。
ある程度、マニュアルをすぐに見やすい環境にはあるのですね。
そうですね、ハード面では、常に見られるようになっていると思います。同じ工程内でも同時進行で作業しないといけない作業もあるので、1つの工程の中にタブレットが2〜3台ずつ置かれているところもあります。ライン長などは、1人1台タブレットを持っているので、ライン全体で十数台あることが多いです。
ハード面があらかじめ揃っていて、Teachme Bizの導入にハマるところがあったのですね。
そうです。元々iPadを電子帳票用に導入したんですが、電子帳票を書くためだけにタブレットを使ってるのはもったいないなと思っていて、他に活用法がないかという観点で探していた中でTeachme Bizに行き着きました。
MAMで導入しアカウントを見やすくしたことで閲覧数もアップ
アカウントの配布方法についてお伺いします。ログイン情報はどのように配布されましたか。
最初は、各工場のTeachme Bizの副管理者宛に私から、Excelにまとめたアカウント情報をメールで配布しました。そこからは、工場のイントラネットで公開したり、個々人に現場まで伝えに行ってもらったり、そこから配布が進みました。
今は、ログイン手順のマニュアルを外部公開で作ってMAMでタブレットにURLを一斉配信しています。ホーム画面のログイン手順のアイコンを押すと外部公開マニュアルが開いて、ログイン手順やグループIDなどが確認できるようにしています。
ログイン手順のマニュアルは、全拠点共通のものですか。
各工場ごとのマニュアルを作りました。
すごいですね。MAMで端末に対してログインに関する情報を配信することで、アイコンのワンタッチで確認できるようにしているという工夫は面白いです。
実際に4月に運用を開始して、6月頃から閲覧数が伸びていたようですが、きっかけとして思い当たることは何かありますか。
その頃に、ログイン手順をMAMで配信したことがきっかけだと思います。
MAMで配信したことは、どのようにアナウンスされたのですか。
私から工場の管理者に連絡して、工場の管理者が各工場のイントラを更新してもらったり、各ライン長が集まる朝のミーティングで伝達してもらったりしました。
現場から「IDやパスワードを忘れました」などの問い合わせはありますか。
私の耳には届いていないですが、工場の管理者には来ていたかもしれないです。
工場の管理者内で解決されていたのだろう、ということですね。
おそらく、そうですね。
各工場の管理者は、ITツールの扱いに慣れてらっしゃる方が多いのですか。
そうだと思います。電子帳票とか製造実行システムに関わる現場フォローもお願いしています。
電子帳票や製造実行システムのご担当者様は、ITツールに詳しい方が多いということですか。
実は元々は全然詳しくない方のほうが多かったです。電子帳票を導入するときには非常に苦労しまして、やっと今の状態にこぎ着けました。
本部にはどんな問い合わせが来ることが多いですか。
マニュアルを承認する人や管理者目線からのメールや電話での問い合わせが多いです。端末を共有しているので、「承認依頼がメールで来ているのに、リンクを踏んでも承認が出てこない」という質問が来るので「入ってるアカウントが違うのでアカウントを変えてください」と伝えたり。あとは、「作成にあたってこういう風に作りたいんですけど」とか、「画像をこう加工したいんですけど」みたいな質問が多いです。
- Excelにまとめたアカウント情報を管理者宛にメールで送付
- 責任者が工場のイントラネットで公開したり、個々人に直接フォローすることでアカウント配布が進んだ
- つまずきがちなログイン手順の外部公開マニュアルをMAMでタブレットにURLを一斉配信
社員1人に1アカウントの導入が将来的な理想
今回の導入期間で印象に残ってることがあれば伺いたいのですが、具体的なエピソードなどありますか。
各工場で本運用を開始した際に、「工場の特定ラインでまずは検証してください」としたときに、現場に選定や進め方を一任したことは、あまり良くなかったかなと思っています。もう少し私が順番に現地に赴いて丁寧にやり取りしていたら、もう少し馴染みは良かったのかもしれません。
Teachme Bizをしっかり使ってもらうために、もっと細やかな配慮が必要だったという振り返りでしょうか。
そうですね。私としてはかなりの密度と頻度で発信はしたつもりでしたが、オンラインで新しいツールの説明をされても「よく分からないな・・・」で終わってしまっていたのではないかと感じました。
現場でもまだITに慣れていない部分があるので、そこの配慮は必要だったかなと反省しています。
最後に、今後の取り組みについて教えてください。
利用するアカウント数をどうすべきか悩んでいます。やはり、Teachme Bizを最大限に活用するには1人1アカウントで運用したほうが良いと思っています。ただ、何千名規模の会社で行うとなったときに、”どう管理して、導入を進めていけばよいのか”はコスト面も含め課題でもあり、知りたいことでもあります。
たしかに、大きな企業になるほどアカウント管理やその導入の運用問題が大きくなりますよね。そこのヒントとなる事例も今後集めていきたいです。
本日はありがとうございました!
ありがとうございました!