「Teachme Bizの導入や推進で苦労したこと・工夫したこと」をテーマにユーザーさまへお話を伺う深掘りインタビュー。
今回お話を伺ったのは、Teachme Biz Award 2023で優秀賞に輝いた、福岡運輸株式会社様です。Part.1では、業務推進部長の松尾さま、次長の日高さまを中心に、Teachme Bizの運用が軌道に乗るまでの経緯について教えていただきました。
1958年に国産初の冷凍車を走らせることに成功。
チルド品や冷凍品などの多様な温度管理が必要な商品や荷物の冷蔵・冷凍輸送を中心とした事業を展開。
様々な物流ニーズに対応するべく、国内グループ拠点93ヵ所、協力会社300社と提携し、全国配送網を確立している。
https://www.fukuokaunyu.co.jp/
紙のマニュアルの使いにくさを解消すべく、クラウドシステムを探した
--はじめに、本日ご参加のみなさまがTeachme Bizにどのように携わっているかを教えてください。
松尾:私はTeachme Bizの導入が決まってからしばらくして業務推進部の部長となり、日高と一緒に運用指針を立てました。
日高:私は導入が決まった約1年後から運営を担当しており、メンバーの中では一番長くTeachme Bizに携わっています。現在も運営チームを率いる立場におり、田中、橋本、古賀の3人の直属の上司にあたります。
田中:マニュアル配信などの実務は、私と橋本、古賀の3人で担っています。ちなみに私は、Teachme Biz関連の業務以外に、事業所ごとのさまざまなデータの取りまとめや伝票の起票チェックも担当しています。
古賀:私も田中と同じくTeachme Biz運用の実務を担当しつつ、安全教育に関わるレポートの作成や制服の受発注も行っています。
橋本:私はTeachme Bizでの事故事例に関するマニュアル配信を主な業務として行っています。
--日高さまは5人の中で一番長くTeachme Bizに携わっておられると思いますが、当時の課題感などを教えていただけますか?
日高:それまで当社では紙のマニュアルを使っており、改版のしにくさや、共有に時間がかかったり、漏れがあったりすることに課題を感じていました。それらの課題を解消すべく、クラウドでマニュアルを作成、配信できるシステムがないか探し、2021年にTeachme Bizの導入に至りました。
ちなみに現在は、当初に想定していなかった用途でも活用しています。導入後、いわゆる「2024年問題(乗務員の労働時間の上限が制限されることで生じるさまざまな問題)」が浮上し、全社的に大幅な業務効率化が必要になりました。そこで、従来は人を集めて行っていた研修や情報共有を、Teachme Bizによる動画配信に切り替えています。
導入からしばらくは運用に悩むも、方針を明確にすることで軌道に乗る
--松尾さまは、導入後しばらく経ってからTeachme Bizの運用プロジェクトに参画されていますよね。当時の状況について教えていただけますか?
松尾:私がプロジェクトに参画した時は、すでに導入していながら、うまく活用できずにいる状態でした。当時はとにかくマニュアルをつくることを目標にしていて、コンテンツの方向性や運用ルールが定まっていなかったので、まずは日高と話し合い、方針を定めることにしました。
日高:具体的には、ターゲットに合わせた情報発信の体制を整えました。当社の場合、ターゲット=情報の受け手となるのは「乗務員」「作業員」「(乗務員や作業員の教育やサポートを行う)職員」です。その3職種すべてに向けて情報を伝えようとすると、どうしても軸がブレ、内容もぼやけてしまうため、職種別にコンテンツを分け、Teachme Bizの中でのフォルダも分けることにしました。「このマニュアルは乗務員向けのもの、この動画はみんなに見てほしいもの」などにフォルダを分類する仕組みにすることで、それぞれが興味を持つコンテンツを作れるようになりました。
それから配信のタイミングも、コンテンツの性質に応じて「定期」と「不定期」とに分け、定期は毎日、不定期は必要なときにアップすることに決めました。毎日配信しているというと驚かれるかもしれませんが、やはり頻度が少ないと、「Teachme Bizを見る習慣」ができませんから。
松尾:私と日高でこれらの方針を定める前は、とにかくコンテンツを作って配信することに重きを置いており、社内になかなか浸透しなかったんですよね。2023年からは新方針に沿った運用がスタートし、後ほどお話ししますが、さまざまな成果につながっています。
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定期(日祝を除く毎日)配信
- てんこ盛り点呼の1分間動画をタスク機能を活用して配信
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不定期配信
- 積荷・自動車・労災事故対策マニュアルをその都度公開し配信
運用において重視した指標は「閲覧数」シンプルな目標でチームがひとつに
--Teachme Biz運用プロジェクトが本格始動した当時の心境について、田中さん、橋本さん、古賀さんのお話もお聞かせください。
田中:運用方針が確立される以前は、マニュアルを作成してもなかなか見てもらえなかったので、正直なところ「うまくいくのだろうか」という心配がありました。作成したマニュアルの閲覧数が少なかったり、リアクションがもらえなかったりしたので、マニュアルの作り甲斐みたいなものは当時あまりなかったかなと思います。
橋本:私は入社1年目でプロジェクトに携わることになったので、現場経験のない自分がベテランの乗務員、作業員の方に対して発信する側に立つことに不安がありました。
古賀:私も同じく入社1年目だったので、日高次長に逐一確認して、ミスがないように気をつけることに精一杯でした。電話対応のマニュアルを作った時は推進部内でに見てもらえた経験があったので、次は乗務員、作業員の方へのマニュアルも頑張って作ろうという想いはありました。
--メンバーのみなさまは不安も大きかった様子ですが、どのようチームを率いたのでしょうか?
日高:対象者への浸透が最もわかりやすい「閲覧数」を指標として、目標値を定めました。今も変わらず、「閲覧数を維持、向上するためにはどうすべきか」が活動指針となっています。
松尾:当社では、Teachme Bizでマニュアルはもちろん、各店の紹介動画など多様なコンテンツを発信しています。そのいずれのコンテンツでも、閲覧数に徹底的にこだわっています。
なぜなら、Teachme Bizは会社にとって非常に重要な「安全教育の役割」を担うツールなので、社内の情報発信手段として確立する必要があったのです。皆さんが毎日当たり前に見るツールにすべく、今も閲覧数の維持、向上に尽力しています。
閲覧数向上のカギは丁寧な現場フォローとレポート機能を活用した分析
--閲覧数を上げるために、具体的にどんな取り組みをされましたか?
日高:まず、先にお話しした運用方針も、閲覧数を上げることを意識して定めたものです。そのうえで、マニュアルや動画づくりでは、メンバーの3人それぞれが工夫をしてくれています。
田中:効果的な字幕の使い方を模索し、常に見やすさには配慮しています。
古賀:弊社の取り組みとして、安全衛生や安全教育に関わることを通達するレポートがありまして紙で掲示をしています。そのレポートの内容はボリュームが多いので、Teachme Bizでは自分なりに分割して作成し、配信しています。乗務員、作業員の方々が「スキマ時間」にさっと見れて、かつしっかりと内容を理解できることを目指し、文字数が多くなりすぎないように気をつけています。
橋本:フリー素材だけに頼るのではなく、自分でも手を加えて、当社のオリジナリティが出るように心がけています。特に私は実際の事故事例をもとにした対策マニュアルを作っているので、見た方に「自分ごと」として捉えてもらえるよう工夫しています。
松尾:こうしたコンテンツ制作にあたっての工夫だけでなく、Teachme Bizの周知にも力を入れました。各店の管理者や乗務員・作業員への教育を担う職員たちへ導入目的や使用方法を十分に説明して、Teachme Bizの活用を促しつつ、メンバーへのフォロー方法も案内しました。
乗務員に貸与しているスマホには、あらかじめTeachme Bizが直ぐに使える状態にして渡しています。
日高:また、継続的なフォローも欠かしていません。レポート機能を使い、事業所別の閲覧数や、マニュアル・動画を頻繁に見ている社員のランキング、反対に閲覧していない社員の店所別人数などを明らかにした「利用状況報告書」を毎月作成しています。この報告書を使って、管理者や職員への配信だけでなく、全社会議の場でもフィードバックを行っています。
--利用状況報告書を見た支店からの反応はいかがでしたか?
日高:大きな反応があったのは、店所別のTeachme Biz閲覧数と事故件数に一定の相関関係が認められたことを伝えたときです。積荷やトラックの事故件数の削減は物流会社の最重要課題のひとつですから、どの店所でも認識が変わりました。
--レポート機能を活用した分析もしっかりされているんですね。
日高:特に現体制での運用を開始してすぐの頃は、コンテンツごとの閲覧者数をこまめにチェックし、平均より多いもしくは少ないものは、「誰がどのタイミングで見ているのか」「見ていない人の所属はどこか、その層に見てもらうには誰に促してもらうべきか」などを丁寧に分析しました。
そうした積み重ねが功を奏し、Teachme Bizが社内に浸透したのだと思っています。
--具体的な取り組みについても教えていただき、ありがとうございます。
Part.2では、再び日高様、田中様、橋本様、古賀様から、Teachme Bizの具体的な活用方法や導入成果について、詳しくお伺いします。