2022年10月13日(木)に開催されたStudist day「オンラインマニュアル/ヘルプセンターを少人数で作成更新管理している運用ノウハウ」のレポートをお届けします。
当日は、弊社スタディストのカスタマーサポート部門の和田みなりから、実際の業務の進め方や少人数での管理・運用ノウハウについて紹介してもらいました。
聞き手は、プロダクトマーケティングマネージャー木本俊光が務めます。
「内部公開マニュアル」と「外部公開マニュアル」で社内外の業務に対応
和田:
本日は、オンラインマニュアルヘルプセンターを少人数で作成更新管理している運用ノウハウについて、お話しさせていただきます。
まず自己紹介をさせていただきます。私は2021年7月にスタディストに入社したのですが、それまではIT業界未経験でした。個人のお客さま向けの電話サポート業務は経験がありましたが、スタディストの主な事業であるBtoBでメール中心のサポート業務も未経験の状態で入社しました。
本日は業務ノウハウに加え、「未経験からどうやって独り立ちしてきたか」もお話しできると幸いです。
ではまず、Teachme Bizカスタマーサポートの日常業務をご紹介します。
カスタマーサポートのメイン業務は大きく分けて、「顧客対応」「"よくあるお問い合わせ"の拡充」「各種オンラインマニュアルの整備」「リリース情報やメンテナンス情報といったお知らせの発信」の4つになります。
本日は、この中の1つ目「顧客対応」で実際に利用している2つのマニュアルにフォーカスし、Teachme Bizの活用例をご紹介します。
和田:
顧客対応で利用している2つのマニュアルは、サポートの業務手順書である「内部公開マニュアル」と、お客さま向けのTeachme Biz取り扱い説明書である「外部公開マニュアル」です。では、順番に見ていきましょう。
教育の際の業務手順書となる「内部公開マニュアル」
教える側は共有が楽、教わる側は分かりやすく安心して操作できる
和田:
内部公開マニュアルは、業務手順書として利用しています。
そもそも業務が整理されていないと、以下のような悪循環が起こりがちです。
- 「分からなかったら聞いてね」と言われたものの声を掛けられる状況ではなく聞きづらい
- 自分の聞き方が下手で相手をイライラさせてしまう
- 結果、聞いても聞かなくても怒られる
Teachme Bizで業務手順を整理すれば、こうした状況から脱してスムーズに業務を覚え、進めていくことができます。さきほど、私は未経験の状態で入社したとお話ししましたが、私自身の経験から、Teachme Bizを使った内部公開マニュアルがいかに役立つかをご紹介します。
和田:
私が入社した際は、基本的な業務については「これを見てやってみてください」「3分悩んだら相談してください」と言われて、マニュアルを共有してもらって進めました。
また、分からないことを聞くときに「もしかしたら、この業務のマニュアルはすでにあるのかもしれない」と思ったときには、検索して自分で調べることもありました。
こうしたTeachme Bizを使った教育のメリットとして、まず「教える側の共有が楽」という点が挙げられます。弊社はSlackを利用しているのですが、Slack上でマニュアルのURLを1つ送るだけで共有完了です。また、事前に共有するURLをリストアップしておけば、さらに作業が楽になります。
教わる側のメリットとしては、「分かりやすく、安心して操作できる」という点が挙げられます。手順が見えるので、どこをどう操作したらいいのか確信をもって作業することができます。
また、どこかでつまずいた場合も「ステップ何番の○○が分かりません」と、質問する際に簡単に示すことができることも大きな長所です。教える側も教わる側も、問題になっている箇所を簡単に把握することができ、心理的安心感も大きいと思います。
「はじめて・へんこう・ひさしぶり」の業務もマニュアルがあれば安心
和田:
上記が、教わる側のメリットまとめになります。
はじめての業務でも、マニュアルを見て自己解決できることが多いので、聞きづらいという心理的ハードルが下がります。
また、マニュアルを見て分からないところだけ聞けばよいので、1から学び直しや教え直しをする必要もありません。
それから、これは業務に慣れてきたときに陥りがちなお話だと思うのですが、業務フローが変更されたときに、丸暗記していると以前のフローで作業して失敗してしまう、ということが起こります。
しかし、Teachme Bizでつど確認する習慣が身に付いていれば、久しぶりの業務や変更されたフローでもミスすることは少なくなります。
こうした業務を、弊社では「はじめて・へんこう・ひさしぶり」の頭文字をとって3Hと呼んでいるのですが、3Hに気を配り、Teachme Bizでつど確認していけばミスを減らしたり事前に防いだりすることができます。
マニュアルを細かく作れば、属人化や丸暗記に頼らずに済む
和田:
カスタマーサポート部門では、さらにトレーニングコースを組んで入社後に順次配信しています。トレーニングコースで見た内容を把握してからロールプレイングや実務対応を実施し、不足分のキャッチアップを行っています。
また、弊社ではSlackのリマインダーにマニュアルURLを貼り付けることで、業務の実施漏れを防止しています。
業務の変化に合わせてマニュアルを更新したり、属人化を防ぐために細かな業務もマニュアル化を進めたりして、トレーニングコースに追加することでサイクルを回しています。
「ここまで細かくマニュアルを作る必要があるのか?」と思われるかもしれませんが、業務手順を丸暗記する必要がないというのが大きなメリットだと思っています。
マニュアルがあれば久しぶりの業務でも不安なく取り組めますし、自分の記憶頼りにならずに、間違いなく業務を進めていくことができます。そうした考えから、細かいものでもマニュアル化を進めています。
お客さま向けにTeachme Bizの操作をまとめた「外部公開マニュアル」
Teachme Bizのプロダクトからヘルプセンターに誘導する
和田:
次に、お客さま向けにTeachme Bizの操作手順を公開している、外部公開マニュアルの活用事例についてご紹介します。
Teachme Bizの操作マニュアルは現在500件以上あり、それをいかにして届けるか、そしてどう内容を維持していくかが大きな課題だと感じています。
マニュアルをお客さまに届けるという面では、正直なところTeachme Bizの機能を公開しただけでは探しづらく、あまり見てもらえない状況です。そのため顧客向けヘルプサイトを作成し、マニュアルやよくある質問などの記事を載せて、お客さまにたどり着いていただけるように工夫しています。
また、Teachme Bizのプロダクト内にヘルプセンターへの導線を作成し、Teachme Bizに関する情報が載っている場所のアピールをしています。機能利用時に操作が分かりづらい場面では、マニュアルそのものへの導線も用意しています。
その他、お問い合わせいただいたお客さまにヘルプセンターの存在をアピールし、次回以降の自己解決に繋がるようにしたり、エラーメッセ―ジから目的の情報にたどり着けるよう、エラーメッセージそのものを公開情報に掲載したりなど、草の根活動も行っています。
実際に、複数のお問い合わせをいただいていたエラーメッセージについて記事化したところ、公開2カ月で400件以上の閲覧があり、その後は同様の問い合わせが減ったという例もあります。
問い合わせ内容が把握しやすく、顧客サポートの品質も向上
和田:
Teachme Bizの外部公開マニュアルのメリットとして、そのほかに「顧客サポート時の品質向上」があります。
和田:
例えば、上記のようなお問い合わせがあった際、「STEP3」という言葉から指摘場所や問い合わせ内容を明確に特定することができます。
もちろん回答の文言は自分で考える必要がありますが、具体的な対処方法の案内はオンラインマニュアルをお送りするだけなので、手順や操作案内を個々のスキルに頼る必要がなくなり、サポートの品質が保たれます。
また、マニュアルのURLをお送りするだけで済むため、文章が冗長にならずに必要な情報を効率よくお渡しできる点もよいところだと思います。
以上が、内部公開マニュアルと外部公開マニュアルの活用方法になります。
木本:
後編では、マニュアルの運用ノウハウについてご紹介します。
(後編記事へ)