今回の記事では、2022年3月17日(木)に開催されたTeachme Bizユーザー交流会のレポートvol.1をお届けいたします。
交流会では、株式会社大賀薬局の不老様と池田様より、Teachme Bizを導入した経緯と社内への認知拡大と現状についてお話頂きました。ここでは、その内容をご紹介します。
1902年創業。2022年に120周年を迎える福岡県博多に本社を置き、医薬品・化粧品・化粧雑貨・生活雑貨小売、処方せん調剤事業を担う企業。事業は大きく、ドラッグストアと調剤薬局の2つの事業部と間接部門の3部門で運営している。従業員数約1,400名弱。「奉仕こそ我らの務め」をミッションとし、社員奉仕・顧客奉仕・地域奉仕の3つの奉仕を柱に「相手の立場になって物事を考え、自ら率先して行動を起こし、誠心誠意、人のために尽くす」ことを目指している。
登壇者の不老様は、2代目のTeachme Biz推進責任者で、初代担当者が浸透しきれないままのTeachme Bizを受け継いで対応中。
属人化したルールの影響を改善するためTeachme Bizを導入
マニュアル不足が招いた店舗ごとのルール化
不老様:弊社では、マニュアルの属人化が大きな課題となっていました。120周年を迎える事業ではありますが、全社ルールとなるようなマニュアルがなく属人化が進んでしまっていたのです。そのため若手社員に正しいルールが伝わらず、入社3年目までの定着率がとにかく低くなっていました。こうした状況を変えるため、Teachme Bizを導入したと聞いています。
導入前は「マニュアルが全くない」わけではなく、「いつ作られたマニュアルなのか分からない」「そもそもマニュアルの絶対数が足りない」状況で、店舗ごとのルールが使われていました。さらに間違ったルールを教わった者が新店舗に異動して、そこでまた新しい教育をして、違うルールを浸透させてしまう。店舗が増えるにつれて、店舗ごとのルールが増えてしまい、本部で管理が全くできていませんでした。
そこで、改善のために導入されたのがTeachme Bizです。ただ、私が引き継いだときにはほとんど定着してない・他の社員は何も知らない・上長からも「無駄なシステムの費用がかかるからもう止めてしまったらどうだ」と言われる、という状態でした。私はシステムとして非常に優秀だと気がついていたので、「あと1年だけ試させてほしい」と継続をお願いして、今に至ります。
Teachme Bizが使われなかったのは使用頻度が少なかったから
不老様:
社員がTeachme Bizを使わなかった理由は、大きく3つありました。
- 使う頻度がそもそも少ない
- 必要なマニュアルがない
- システム自体の存在を知らない
特に使用頻度が少なく使ったことがない・知らないことが大きかったと思います。よくある打ち上げ花火の状態になっていたのです。導入のときはすごく盛り上がるのですが、浸透しきれず、みんな忘れ去ってしまって、そのうちシステムとしてなくなってしまうパターンに陥っていました。
Teachme BizはITリテラシーが高くない者でも使えるシーンがイメージできた
不老様:
正直なところ、マニュアル整備を行うために使うツールは、Teachme Bizでないとならないわけではありませんでした。ただ、社内では20代から最高齢で83歳まで働いてますので、決してネットに対してのリテラシーが高いわけではありません。むしろシステム自体も触らない・使いたくないという、いわゆるアレルギー反応を示す者も多いので、なるべく使いやすいものであることが、最優先ポイントでした。
そういった意味では、操作性やマニュアルの作り方がシンプルで、誰でも使えるTeachme Bizはピッタリだったと思っています。使う側はただ開いて確認するだけなので、使用頻度さえ上がれば浸透するだろうと、使えるシーンが想定できたのがTeachme Bizの浸透を進めた大きな理由です。
Teachme Biz浸透への3つの取り組み
不老様:
Teachme Bizを浸透させるために取り組んだことは大きく3つあります。
- 増やす
- 他のシステムと連動
- イベント時に活用
それぞれ詳しく説明します。
1:増やす
不老様:
取り組み1つ目は「増やす」ことです。増やす必要があったのは以下の3つでした。
- マニュアルの絶対量
- 対応ジャンル
- マニュアル作成者
最初は、マニュアルの絶対量を増やす必要があります。必要なときに必要なものがないと使われなくなってしまうので、まずは数を作っていきました。
当時はドラックストア事業部だけしか使っていなかったので、調剤事業部と間接部門では、使えるマニュアル自体がそもそもなく、存在を知る由もありません。対応ジャンル=対応部門を「増やす」ことで、まずは知ってもらう必要があります。そのため、それぞれの部門で推進メンバーを立てて、必要なマニュアルをどんどん増やしてしていきました。
また、マニュアルを作成するのは私だけだったので、作成者も増やす必要がありました。そこで「こういうシステムがあるよ、一緒に作ろうよ」と今日のもう1人の登壇者である池田を巻き込み、池田からまた他の事業部のスタッフを巻き込んでもらって、今、作成者は10名以上いる状況になっています。
2:他のシステムと連動
不老様:
2つ目の取り組みは「他のシステムとの連動」です。弊社では、店舗で使うシステムがバラバラのものが多数入っているので、Teachme Bizだけでは伝わりにくい部分があります。
(システム例)
- メールシステム
- 掲示板のシステム
- 売上の報告のシステム
- 勤怠のシステム…
そこで、普段使う掲示板などによく使用するシステムのマニュアルURLを必ず付けて、Teachme Bizを見る機会を増やしてもらう作戦で進めていきました。
3:イベント時に活用
不老様:
3つ目の取り組みは、イベント時のお知らせに活用したことです。イベントがはじまるときには、必ずTeachme Bizでマニュアルをリリースするようにしました。
実は、この取り組みは私の苦い経験から生まれたものです。私が営業から総務に異動した10月は、総務の大きなイベントとして年末調整が控えている時期でした。しかも、ちょうど私が異動したときが、年末調整のシステムを新たに導入するタイミングでもあったのです。
私は異動したてで、年末調整の仕組みが分かっていないだけでなく、新しい年末調整のシステムにもなり、システムのことも全く分かりません。でも、やらなければならない。その状況でなんとか進めていたのですが、これがビックリするくらい炎上しました。
社内から問い合わせの電話が山のようにきて、電話を1本受ける度に他の者から「どこどこ店から連絡がありました」という付箋をもらう。1件付箋を外すと3枚増えている。それが1日ずーーーっと続いていました。
そこで2年目以降は年末調整のマニュアルをどんどんブラッシュアップして「マニュアルを見てください」と伝えることで、今はかなりスムーズに進むようになりました。この経験から、イベントのタイミングでTeachme Bizに載せることを徹底するようにしています。
今後は過去のマニュアルを再整備し、研修へ活用
不老様:
私がTeachme Bizの担当になってから4年経ち、ようやく浸透してきたなというレベルまで達しました。これからは、トレーニング機能も使用できるようにしたので、新人の育成などにも活用していこうと考えています。
マニュアルは、整備の段階に入ります。これまではとにかく浸透させるために作って、見てもらって、と一気に進めてきているので、いつ作ったか分からない、退職された方が作ったものもある状況なので、整理していきたいです。また、作ったままになっているマニュアルを、制度が変わるにつれて更新していくことも、進めていこうと思っています。
作成レベル自体は、研修などを続けてスキルアップしていきたいです。そうして、今後も社内の中で充実させていきたいと考えています。
質疑応答
イベントではたくさんの質問がありました。その一部をご紹介します。
Q:特に浸透に役立ったマニュアルはありますか。内容によって浸透や活用の度合いは違うのでしょうか。
A:今必要としていることと、新しい機械の導入時・健康診断・予防接種、などの新しい取り組みを行うとき、イベント毎に配信をしたマニュアルは影響が大きかったと思います。
もともとは使ってもらえていない状況でしたので、視聴数が多いということは、食わず嫌いの方にも使ってもらえているので浸透が進んでいるのだろう、という認識でいます。
Q:多くなったマニュアルの管理・更新を行うのは、マニュアルの作成者でしょうか。それとも管理者の方が対応されていますか。
A:基本的に作成者が対応することになっていますが、たまに作業できている程度です。野良コンテンツの管理はこれからの課題の1つと考えています。
Q:新人の方が最初にTeachme Bizを触る時の印象が非常に大事なポイントとなっているように思いました。工夫されている点や必ず案内していることがあれば教えてください。
A:新入社員は「Teachme Bizがあるよ」というレベルです。これからは、コース活用や認知向上の施策も検討しています。
Q:1代目であまり浸透しなかったにも関わらず、2代目としてモチベーション高く推進しようと思った理由はどこにあったのでしょうか?
A:20~80代まで働く環境のため、使いやすいITは必要だと感じていました。操作性がシンプルで作りやすかったTeachme Bizを推進したらマッチしそうな印象が持てたことが大きな理由です。
Q:社員の皆様がTeachme Bizを閲覧していると感じることができたのは、どのくらいマニュアル(本数やカテゴリー)ができたときでしたか。
A:マニュアル作成者の人数がそろい始め、配信が週1〜2本になってきたときに、ログインの頻度が増えてきたと思います。ただその頃は、まだ社員がTeachme Bizを閲覧することが当たり前という状況ではなかったので、配信の頻度を保ち続けることを重視していました。
Q:大量のマニュアル作成にかかる時間と現状の業務とのバランスはどのように調整されましたか。
A:アカウントをある程度、同じ業務を行うグループに振り分けています。グループでマニュアルを作成できる形にしているので、個人への業務負担が過剰にならないように調整しています。
Q:「できる人のやり方」をベースにしていますか。それとも「できない人をできる人にする」アプローチをしていますか。
A:マニュアルがどの程度業務をカバーできている状況かによって考え方は変わると思います。マニュアルがない段階では「何が正しいやり方なのかがわからない」という状況の解決を優先し、整ってきたら「好事例」を作っていくという段階に進めていけるのかな、とか考えています。